夢、時々日常。

主に夢日記を綴るブログです。ツイッターで細々夢日記をつけていたが、最近長文化してきたため。

夢日記『彼は空(から)』

2018年3月3日に見た夢。

 

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大雨の夜だった。

「取り返しのつかないことになった。海を渡れば過去に戻れる」

声のデカい人が言うので、そうなのかもしれないと思って、素直に従う事にした。
古い神社の脇から、海底トンネルへ続く階段を降りた。一人きりだと思っていたのに、気づけば複数の足音がある。せっかちに‬‪追い抜いて行く人の横顔が、見知った顔のように見えたが、あまり考えないようにした。そんなこと、関係ないくらい過去に行くんだから。‬
‪しばらく青暗いトンネル内を歩いていたが、いつの間にかどこかの教室の中にいた。席についている顔ぶれは、先ほどのトンネルを一緒に歩いた人間だろうと、‬‪不思議と納得したが、ただ1人の男の顔貌に妙な違和感を覚えた。‬
私が怪訝そうに彼を見ていることに、他のメンバーたちが気づいたようで話しかけてくる。
「彼も一緒に来た」
「彼はいい人、苦労してる」
なぜ'人となり'まで知っているのだろう。なぜ今そのことを伝えてくるのだろう。
皆んな、必死で、私の違和感を消そうとしているように思えた。
何のためにトンネルを抜けたのだっけ。過去の間違いを打ち消すように見せかけて、実は間違いを埋め込まれているのでは無いか。
どこに?私の脳髄に。
もう一度彼を見る。射抜くようなつもりでグッと睨んだ。
すると彼が、背景の教室が、霧のように消え失せて、青暗いトンネルの中に戻っていた。と言うのは勘違いで、満点の星空の下に立っていた。他のメンバーも一緒にいる。
もうあの男のことなんてどうでも良かった。私は星空から目が離せないでいた。
「そうだ。昔は星が多かった。あの頃は」
ずっと見ていたいのに、見つめれば見つめるほどに視界が滲んでくる。

「忘れたくなかったのに」